皆さん、こんにちは、キャリアドクターの野津です。
今日は、再就職支援セミナーで講師をしました。
このテーマでは多くの講師が「再就職するためのテクニック
(職務経歴書の書き方や面接対応など)」を教えるでしょうが、
私はそのような一過性のテクニックはまったく教えません。
そんなことを教えても、本質は何も変わらないのでキャリアの問題を
先送りするだけだからです。
私のセミナーの本質的な内容は「自分はなぜ失職したのかという
ことを理解するために、参加者のオールドパラダイムの
キャリアや働くことに関する考え方や思い込みを変える」ことに
あります。
例えば、
「キャリア3.0についての理解」
「会社が社会に存在する意味」
「会社の一員となる意味」
「会社が求める普遍的な人材とは」
「《職》を得ることの本質的な意味」
「自分・会社・社会との関係性」
「差ではなく違い」
「自分らしさを活かすキャリアとは」
「長期的なライフキャリアビジョンの重要性」
などについて学んで頂きます。
このセミナー講師は30回以上やっていますが、毎回素晴らしい
スキルや経験を持ったとても優秀な方々がリストラで失職して、
次なるキャリアに悩んでおられます。
しかし、リストラの場合ほとんどのケースは「突然の失職」
ではありません。
必ず失職につながるような徴候が度々あったと思います。
にも関わらず「一番の問題は、何も手を打ってこなかった」
ことなのです。
例えば、会社の業績がどんどんじり貧になっているのに転職などの
手を打たず、「きっと業績は回復する」「自分は大丈夫、リストラされない」
「転職はリスクがあるので、この会社にいる方が安全だ」などの根拠のない
思い込みで何ら手を打たず、事態はどんどん悪化していき最終的にリストラ
通告されたとかです。
会社にいれば、自分の部署だとか、視野の狭い部分しか目がいきません。
しかし、業績などの経営状態や競合他社との優位性や経営課題などは、
少し社内から情報を取れば分かる筈です。
しかし、多くの人はそんなことはまったくやっておらず、
上場企業の社員も有価証券報告書で、自分の会社の実態を把握して
いないことに驚くこともあります。
会社の業績が長期的に伸張しないと判断すれば、優秀な人材ほど
会社を辞めて一番自分が高く売れる時に転職をします。
しかし、最後まで会社に居残って最終的にリストラになった人は、
残念ながら自分を高く売ることは非常に難しくなります。
その理由は、自分に危機がせまっているのに手を打たないのは、
「感性が鈍い」「保守的」「会社まかせ」等と判断されることや
絶えずいつでも転職が可能なように日々キャリアを磨いていない、
と判断されるからです。
しかも、一番重要なことは目先の再就職もさることながら、
その先の65歳定年後の長寿社会でいかに超高齢化時代を生きて
いくためのキャリアをどうするのかです。
こういった本質的・普遍的なキャリアの問題や課題をしっかりと
認識して再就職活動をして行くことが重要なのです。
もはや会社が社員のキャリアを保証する時代は終わりました。
キャリアも放置状態にしておくと生活習慣病のように必ず
重い病気になっていきます。
しかし、ほとんどの人は日々キャリアのケアやメンテナンスを
怠り、失職という最悪の事態で初めてキャリアカウンセラー
などに頼ってきます。こうなってしまうと外科手術がメインに
なり、色々と犠牲にしなくてはいけないものもでてきます。
不測の事態が起こって悩む前に、自分自身の責任で「日々キャリアを
系統的・継続的・習慣的に見直して予防していくこと」が重要なのです。
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